言うまでもなく、美しい英像と音
スーパーファミコンの性能を端的に言ってしまえば、より美しく豊かなゲームとしての映像と音をさまざまな画面演出でユーザーに提供できるということにある。これまでのゲームでは考えづらかった画面効果を、いとも簡単にやってのけてしまうだろう。
さて、右に並べた4枚の表を見てほしい。これが21日に来場者に渡された資料だ。ここに書かれた内容から、スーパーファミコンのスゴさの一端を説明しよう。
まずグラフィックに関して。
最大256色表示とはいえ、3万以上もある色の中からセレクトできるとあって、微妙な肌色も見事に表現可能。業務用ゲームで最近流行り(「アサルト」とか)の拡大、縮小そして回転までもこなせるし、映画やビデオのようにフェードイン・アウトで演出効果も、可能になった。部分スクロールもできたりとスクロール機能も強化。スクロール面はそれぞれ独立した物が4面もある。また、リアルタイム・ゲームの命ともいうべきスプライト機能は、現ファミコンの64倍の大きさを一発で定義でき、デカキャラ表示もお手の物としている。水平に並べられる数も増え、ドラクエのキャラなら16人までちらつかない計算。色より何より肝心のグラフィック画面の解像度は、家庭用テレビの限界ともいえる512ドット×448ドットまで細かくできるという。
音に関してはどうか?
まず、ステレオ出力になってることが目を引く。サンプリングで8音も重ねられるので、音に厚みを付けることなどいともたやすくこなせるし、エコーを掛けたりするエフェクターも内蔵している。2個のカスタムチップも伊達じゃない。つまり結論は、
スーパーは目にも耳にも刺激的だ!
現時点で発売が決定したソフトはまだないが、スーパーファミコンの発売と同時に「スーパーマリオ4」、「ゼルダの伝説3」(いずれも仮称)とタイトルはまだ未発表だが、2作のソフトの計4本を同時発売する予定。以降は月1作のペースでソフトが発売されていくという。ただし、これは任天堂のソフトの話で、他社(サードパーティ)の参入時期は未定であるばかりかソフト開発用のハード、ツールが提供できるようになるのは来年6月がめどになるらしい。そうすると他社ソフトが発売されるのは来年末になるのではなかろうか。無論、各社ともスーパーファミコンに対する興味は高く、中でもナムコは「積極的にスーパーファミコン用ソフトを開発するでしょう」との動きを見せている。開発機材との兼ね合い等の問題はあるが、なるべく早い対応が望まれるところだ。
また、オプションハードの展開も未定のままである。一応、ファミコンアダプターを接続すれば、現ファミコン用のソフトとスーパーファミコンをリンクすることはできるが、現ファミコンを持っていれば何の問題もないのも事実である。単に現ファミコンとスーパーファミコンのフォルムが揃うだけのことだ。スーパーファミコン用のディスクドライブやモデムなどはどうなるのか。会場でも質問があったが任天堂側はまだ検討中であると即答を避けた。まず、ゲーム機として足場を固めてからという事だろうか。
ハードの価値はソフトと組になって決まるものである。その意味ではスーパーファミコンの評価はまだできないが、大きな期待はかけられるだろう。 |